多形細胞型退形成癌成分を含んだ浸潤性膵管癌の1剖検例

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タイトル別名
  • An autopsy case of invasive ductal carcinoma with a component of anaplastic carcinoma (pleomorphic type) of the pancreas

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抄録

<p>膵退形成癌は予後不良な悪性腫瘍である。膵多形細胞型退形成癌の成分を含む浸潤性膵管癌の1剖検例での捺印細胞像を報告する。70歳代男性。他院にてヘモグロビンA1cの急上昇のため,当院に紹介受診された。腹部CTにて膵体部腫瘍と多発肝腫瘤を認めた。経過約8ヵ月で膵癌により永眠され,病理解剖が施行された。膵体部に境界明瞭な直径25 mmの腫瘍を認め,捺印細胞診標本を作製した。細胞学的には,細胞多形性を示す大型異型細胞が散在性から集塊で多数観察され,核異型を示す多核巨細胞も認められた。また,腺癌成分と扁平上皮癌成分が混在していた。組織学的には,扁平上皮癌成分を伴った腺癌を背景に,多形細胞型退形成癌を含む浸潤性膵管癌と診断された。肝臓多発腫瘤は膵癌の転移と診断された。本例では捺印細胞診で多形細胞型退形成癌の典型的な細胞像が確認された。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 69 (4), 695-700, 2020-10-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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