L-タイプワコーLD・IF試薬の基本性能の評価と基準範囲に関る検討―乳酸脱水素酵素活性測定のIFCC法とJSCC法の比較―

DOI
  • 藤本 丈志
    株式会社ビー・エム・エル自動分析課
  • 城田 正則
    株式会社ビー・エム・エル自動分析課
  • 秋山 功
    株式会社ビー・エム・エル第二検査部環境検査課
  • 坪井 五三美
    株式会社ビー・エム・エル第二検査部
  • 星野 忠
    東邦大学理学部教育開発センター臨床検査技師課程

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of basic performance and reference range of L-type WAKO LD·IF reagent: Comparison between IFCC and JSCC methods of measuring lactate dehydrogenase activity

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抄録

<p>乳酸脱水素酵素(LD)活性測定は2020年4月1日よりJSCC法からIFCC法に変更される。そこで,LタイプワコーLD・IF試薬(富士フイルム和光純薬)を用いたLD活性測定の基礎的検討を行った。併行精度及び再現精度は,いずれの管理試料においても変動係数C.V.は1.2%以下と良好であった。LD高値活性検体を用いて10段階の希釈直線性試験を行ったところ,2,470 U/Lまで測定可能であった。干渉物質はビリルビンF,ビリルビンCおよび乳ビは測定値に影響を認めなかったが,ヘモグロビンは正誤差を受けた。現行試薬との相関は,相関係数r = 0.994と良好で,回帰式はy = 0.923x + 9.8と現行試薬とほぼ同等な成績が得られた。一方,回帰直線よりも低値に乖離したと考えられた5検体に関して,クイックジェルLD試薬(ヘレナ研究所)を用いたLDアイソザイム分析結果はLD5分画値が59%以上とMサブユニット優位な検体であった。健常者におけるLD活性値の基準範囲は108~202 U/Lと算出された。LタイプワコーLD・IF試薬は日常の臨床検査に十分な性能を有していた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 69 (4), 570-576, 2020-10-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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