新生児期に脳実質内出血を合併した鎖骨頭蓋異形成症

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  • Cleidocranial dysplasia complicated by intraparenchymal hemorrhage in the neonatal period

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抄録

<p> 経腟分娩で出生後に脳実質内出血を認めた鎖骨頭蓋異形成症(cleidocranial dysplasia;CCD)を経験したので報告する.症例は在胎38週5日,体重2,765gで出生した男児.日齢2に広範囲な頭蓋骨と鎖骨の形成不全に気づかれ精査のため入院となった.頭部MRIと頭部CTにて左後頭葉皮質下に出血を認めた.家族歴から父親に鎖骨頭蓋低形成の既往があり,脳実質内出血を合併したCCDと診断した.血液検査にて出血性素因はなく,神経学的異常も認めなかった.日齢11に,頭部CTで皮質下出血の減少を認め退院した.5カ月時にWest症候群を発症し,3歳時現在,発作は消失しているが,軽度〜中等度の精神運動発達遅滞を認めている.</p><p> 本症例の脳実質内出血は分娩外傷が原因と考えられた.家族歴や画像検査からCCDと出生前診断できた症例では,周産期脳障害のリスクを下げるために経腟分娩を避ける必要性が示唆された.</p>

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