A群レンサ球菌簡易検査が陰性であったが劇症型A群レンサ球菌感染症「分娩型」として加療し母児共に救命できた1例

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  • A case report of pregnancy-related STSS with false-negative result in the rapid antigen test

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抄録

<p> 劇症型A群レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome:STSS)「分娩型」は,急激に敗血症ショック,子宮循環不全や常位胎盤早期剝離様の症状を呈し,高率に母体・胎児の死亡をもたらす.臨床経過から早期にSTSSを疑い,母児共に救命しえた一例を報告する.36歳,2妊1産.妊娠31週4日,発熱,子宮収縮と性器出血を主訴に来院.血圧82/52mmHg,脈拍90回/分,咽頭A群レンサ球菌(GAS:Group A Streptococcus)迅速抗原検査は陰性.胎児心拍数モニタリングにて頻脈と遅発一過性徐脈を認め,常位胎盤早期剥離疑いで緊急帝王切開術を施行し,2,238gの男児を娩出.術中より輸血,抗DIC療法を継続したが,術後1時間後に血圧低下,頻脈と呼吸不全が出現し肺水腫を認めた.劇症型GAS感染症を強く疑い,ABPC大量投与を行いつつ,3次医療機関へ搬送.術後1日目に,血液,子宮内および腟分泌物培養検査でGASを検出.抗菌薬を継続し12日目に退院.児は日齢38日に後遺症なく退院.臨床所見からSTSS「分娩型」と判断し早急に加療することで母児を救命することができた.</p>

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