慢性肉芽腫症に合併した肉芽腫性間質性肺炎に対するサリドマイド治療

  • 河合 利尚
    国立成育医療研究センター免疫科 国立成育医療研究センター成育遺伝研究部
  • 渡辺 信之
    国立成育医療研究センター成育遺伝研究部
  • 横山 みどり
    国立成育医療研究センター成育遺伝研究部
  • 中澤 裕美子
    国立成育医療研究センター免疫科 国立成育医療研究センター成育遺伝研究部
  • 後藤 文洋
    国立成育医療研究センター免疫科 国立成育医療研究センター成育遺伝研究部
  • 内山 徹
    国立成育医療研究センター免疫科 国立成育医療研究センター成育遺伝研究部
  • 前川 貴伸
    国立成育医療研究センター総合 診療部
  • 樋口 昌孝
    国立成育医療研究センター呼吸器科
  • 放生 雅章
    国立国際医療研究センター呼吸器内科
  • 小野寺 雅史
    国立成育医療研究センター免疫科 国立成育医療研究センター成育遺伝研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Thalidomide therapy for granulomatous interstitial pneumonia in patients with chronic granulomatous disease
  • 慢性肉芽腫症に合併した肉芽腫性同質性肺炎に対するサリドマイド治療
  • マンセイ ニクガシュショウ ニ ガッペイ シタ ニクガシュセイ ドウシツセイ ハイエン ニ タイスル サリドマイド チリョウ

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説明

慢性肉芽腫症(CGD)は,殺菌能が低下し細菌や真菌へ易感染性を示す原発性免疫不全症である. 本疾患では炎症性サイトカインの過剰産生により炎症性肉芽腫が形成されるが,ステロイドや免疫抑 制剤による治療は易感染性を増悪させるため制限された使用となる,今回,肉芽腫性間質性肺炎を合 併したCGDの2症例に対して,サリドマイド治療を行った.症例は8歳と20歳のCGDで,血清 KL-6高値と胸部CTで肺間質陰影の濃度上昇を認めた.各種培養検査は陰性で,病理所見では肺間質 組織にリンパ球浸潤と微小な肉芽腫を散在性に認めた.活動性の高い感染症の関与が否定的だったた めサリドマイドを3か月間投与したところ,血清KL-6は低下し胸部CTでは問質性陰影は消失した. 治療中,明らかな易感染性の増悪は認めず,サリドマイドに関連する重篤な副作用もみられなかった. CGDでは感染症だけでなく過剰な免疫応答に関連した肉芽腫性間質性肺炎をきたす可能性が示唆さ れ,CGDの2症例においてサリドマイドは有用であった.

収録刊行物

  • 小児リウマチ

    小児リウマチ 6 (1), 11-16, 2015

    一般社団法人 日本小児リウマチ学会

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