当科を受診した小児期発症膠原病患者の臨床経過

  • 西山 進
    倉敷成人病センターリウマチ膠原病センター
  • 相田 哲史
    倉敷成人病センターリウマチ膠原病センター
  • 吉永 泰彦
    倉敷成人病センターリウマチ膠原病センター
  • 宮脇 昌二
    倉敷成人病センターリウマチ膠原病センター

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical outcome of pediatric-onset collagen disease patients
  • 症例報告 当科を受診した小児期発症膠原病患者の臨床経過
  • ショウレイ ホウコク トウ カ オ ジュシン シタ ショウニキ ハッショウコウゲンビョウ カンジャ ノ リンショウ ケイカ

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抄録

小児期発症膠原病患者44名(男5,女39)の臨床経過を調査した.発症時および最終観察時年齢は 12.4±2.5歳および36.0±10.6歳であり,初診から最終観察まで11.9±8.9年であった.診断名(重複あ り)は,全身性エリテマトーデス(SLE)26,若年性特発性関節炎8 ,シェーグレン症候群6 ,混合 性結合組織病5 ,多発性筋炎/皮膚筋炎3 ,ベーチェット病2 ,全身性強皮症1 名であった.SLE は他の疾患と比べて発熱,関節痛など非特異的な症状が多く,初発症状が顔面紅斑や尿蛋白であ る場合は比較的早期に診断されたが,非特異的な症状では診断が遅れる傾向にあった.SLEは他の 疾患に比べてステロイドパルスや免疫抑制剤が頻用されていた.最終観察時に通院中が16名(年齢 37.7±11.1),転医が17(32.5±8.5),死亡が6(42.5±10.0),不明が5(35.4±9.6)であり,死亡は全 例SLEであった.小児期発症SLEは再燃しやすくかつ予後不良であり,小児科と内科が連携して生 命予後の改善に取り組むべき課題と考える.

収録刊行物

  • 小児リウマチ

    小児リウマチ 8 (1), 10-17, 2017

    一般社団法人 日本小児リウマチ学会

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