糖尿病患者由来のiPS細胞を利用した動脈硬化抑制因子の発見

DOI
  • 青木 重樹
    千葉大学大学院薬学研究院生物薬剤学研究室

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抄録

生活習慣病の1つである2型糖尿病(T2DM)は,予備軍も含めると世界的に億単位の患者が存在すると推定されている.T2DMは様々な合併症を引き起こすが,その中でも動脈硬化などの心血管疾患(CVD)発症のリスクであることが従来から知られている.しかし,同じT2DM患者でもCVDを合併しない場合もあり,CVD発症の有無を決める仕組みは不明であった.<br>本稿では,慢性的なT2DMであるものの動脈硬化などのCVDの既往がない患者,T2DMに罹患してからの期間が短いにもかかわらず動脈硬化を発症した患者から,それぞれiPS細胞を作製して動脈硬化抑制因子を探索したToyoharaらの論文を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Toyohara T. et al., Cell Stem Cell, 27, 147-157(2020).<br>2) Takahashi K., Yamanaka S., Cell, 126, 663-676(2006).<br>3) Warren C. R. et al., Cell Stem Cell, 20, 547-557.e7(2017).<br>4) Lo V. et al., J. Lipid. Res., 51, 368-377(2010).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 57 (2), 153-153, 2021

    公益社団法人 日本薬学会

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