直腸間膜内リンパ節転移を来した神経内分泌分化型前立腺癌と同時性直腸癌重複の1例

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  • A Case of Rectal Carcinoma with Synchronous Neuroendocrine Differentiated Prostate Carcinoma That Spread to the Mesorectal Lymph Node

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抄録

<p>症例は75歳の男性で,排尿障害,前立腺特異抗原(prostate specific antigen;以下,PSAと略記)高値にて針生検を施行したところ前立腺癌と診断され,精査中に下部直腸(Rb)前壁に1/3周性Type 2病変を認めた.骨盤MRIで前立腺癌は肛門管直上で直腸壁に接しており,直腸癌とも近接していた.直腸間膜リンパ節(mesorectal lymph node;以下,MLNと略記),側方および鼠径部に多数のリンパ節腫大,および複数の骨転移を認めた.前立腺癌(Stage D)に対しホルモン療法を1サイクル施行後,PSA値の低下,側方リンパ節の縮小を確認し,腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行した.直腸癌はtub1,pT2,pN0,pStage Iで,MLN転移は神経内分泌分化を伴う前立腺癌の転移であった.前立腺癌のMLN転移の報告はごくまれであるが,本症例のように浸潤傾向の強い前立腺癌において,直腸間膜内へのリンパ行性転移を来しうることを念頭に置くべきと思われた.</p>

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