卸売業者の市場対応と仲卸業者の機能変化

書誌事項

タイトル別名
  • Corresponds to the Market of the Wholesaler and a Change in the Function of the Brokerage
  • 卸売業者の市場対応と仲卸業者の機能変化--「岐阜市中央卸売市場」を事例に
  • オロシウリギョウシャ ノ シジョウ タイオウ ト ナカオロシギョウシャ ノ キノウ ヘンカ ギフシ チュウオウ オロシウリ シジョウ オ ジレイ ニ
  • A Case Study about the Central Wholesale Market in Gifu Pref.
  • 「岐阜市中央卸売市場」を事例に

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抄録

<p>本論文は,卸売業者による市場外流通量の拡大に着目し,とくに内陸部にあり,また,名古屋市中央卸売市場に隣接しているという厳しい市場環境に置かれている岐阜市中央卸売市場を対象として,卸売業者による直接末端対応が場内における仲卸業者にどのような影響を与えたのかを明らかにするものである。</p><p>岐阜市中央卸売市場は,①青果物を中心とする卸売市場 ②卸売市場の独自な市場展開が多大な困難を抱えている ③名古屋市中央卸売市場に対する依存度が高い ④水産加工品の取扱量が多く,かつ品目が多様なである,という四つの地域的特徴を有する市場である。近年の厳しい流通環境の中で集荷については,近隣名古屋市場に依存しながら,全国各地の小規模業者(鮮魚,冷凍品ともに)との連携強化を通じて,独自な仕入れルートを構築している。販売については,スーパーや他地域の加工業者も含む加工業者への直接販売(加工原料の供給)は新しい対応として展開している。</p><p>しかし,卸売業者のこうした集・分荷力強化活動(経営対応)は,実際に市場全体の集荷力の強化と結びつかず,かえって仲卸業者の経営を圧迫している要因ともなっている。こうした状態が続くならば,卸売市場としての集荷と販売のギャップが拡大し,市場内取引の縮小=市場内取引の‘空洞化’が懸念され,元来,開設地域において水産物流通の中核的位置づけにあるべきと中央卸売市場としての公共的性格も次第に衰退していくことも予測できる。</p>

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