ハワイにおける日本人漁業者排斥問題について

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タイトル別名
  • The Exclusion of Japanese Fishermen in Hawai'i
  • ハワイにおける日本人漁業者排斥問題について--太平洋戦争期を中心に
  • ハワイ ニ オケル ニホンジン ギョギョウシャ ハイセキ モンダイ ニ ツイテ タイヘイヨウ センソウキ オ チュウシン ニ
  • Focusing on Negotiations over Fishing Regulations during the Pacific War
  • 太平洋戦争期を中心に

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抄録

<p>本研究は,戦前,ハワイの海に進出した日本人漁業者に対する排斥の動きについて,特に太平洋戦争中を中心に考察する。20世紀初頭にハワイで操業を開始した日本人はたちまち漁業において独占的な地位を確立するが,それによって利害の対立するハワイ人漁業者や地元政治家は当初,日本人の排除を試みた。しかし次第に漁業における日本人の存在に大きさを認めるようになり,排斥の動きは下火となった。一方,米連邦政府や米海軍は日本人漁業者の台頭に対して強い警戒感を持ち,とりわけ1930年代後半に日米関係が悪化すると,軍港周辺での操業の禁止や非市民の漁船所有禁止,及び違反者に対する漁船の没収など,日本人漁業者に対する様々な締め付けを行った。そして日本軍による真珠湾攻撃の後,戒厳令下におかれたハワイでは漁業が全面的に禁止され,日本人所有の漁船が全て海軍によって没収されることによって,日本人は完全にハワイの海から閉め出された。その一方で,地元水産業者などは漁業の再開を目指し,開戦早々からハワイ軍政部に対して漁業に対する規制の緩和を求める活動を開始した。そして少しずつではあるが,ハワイの漁業を再開させることに成功したのであった。このような歴史的経緯について,本研究は実証的に検証する。</p>

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