高感度測定法による新生児血中特異的IgEと乳児期の食物アレルギー発症に関する検討

  • 渋谷 紀子
    総合母子保健センター愛育クリニック小児科
  • 斉藤 恵美子
    東京家政学院大学人間栄養学部人間栄養学科 NTT東日本関東病院小児科
  • 苛原 誠
    徳島大学医学部小児科 徳島大学先端酵素学研究所生態防御病態代謝研究分野
  • 木戸 博
    徳島大学先端酵素学研究所生態防御病態代謝研究分野

書誌事項

タイトル別名
  • Neonatal antigen-specific IgE measured by a highly sensitive method and its relationship to food allergy during infancy

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抄録

<p>【背景】胎内感作の意義はいまだ明らかでない.【目的】新生児血中抗原特異的IgEを高感度測定法により測定し,乳児期の感作および食物アレルギー(FA)発症との関係を明らかにすること.【方法】125名の出生コホート研究を行った.新生児血中抗原特異的IgEを高性能蛋白チップにより測定し,6,12か月時に児のプリックテスト(SPT)を,0,1,6,12か月時に保護者へのアンケート調査を行った.【結果】125例の新生児血のうち,84%で何らかの抗原特異的IgEが検出され,約50%で卵白特異的IgEが陽性であった.新生児血中抗原特異的IgEは,SPTやFA発症と相関を認めなかった.妊娠中の鶏卵摂取量と新生児の鶏卵特異的IgEにも関連は認めなかった.生後早期の湿疹は,単変量解析ではSPTおよびFA発症と,多変量解析ではSPTと有意に関連していた.【結論】新生児血中IgEと乳児期の感作およびFA発症には関連が認められなかった.食物アレルギーに関与する感作は出生後に成立することが示唆された.</p>

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参考文献 (17)*注記

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