経鼻内視鏡手術にて摘出した翼口蓋窩に進展した若年性血管線維腫例

DOI Web Site 参考文献13件 オープンアクセス
  • 蔭山 麻美
    徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野
  • 北村 嘉章
    徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野
  • 幸田 裕和
    徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野
  • 中野 誠一
    徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野
  • 神村 盛一郎
    徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野
  • 松田 和徳
    徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野
  • 阿部 晃治
    徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野
  • 武田 憲昭
    徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Transnasal Endoscopic Surgery for Juvenile Angiofibroma Involving the Pterygopalatine Fossa

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説明

<p>若年性血管線維腫は思春期男子に好発し,頻回の鼻出血や鼻閉をきたす比較的稀な良性腫瘍である。治療の第一選択は手術であるが,非常に血流に富む腫瘍のため,従来は経上顎洞法,外側鼻切開法,経口蓋法などが行われてきた。近年は手術手技や機器の発展に伴い内視鏡下摘出術の適応が広がってきている。今回,我々は経鼻内視鏡手術で摘出した翼口蓋窩に進展した若年性血管線維腫例を経験したので報告する。症例は14歳男性で左鼻閉と反復する鼻出血を主訴に近医耳鼻科を受診し,左鼻腔内に腫瘍性病変を指摘され,当科紹介となった。初診時の鼻内所見では左鼻腔後方に表面平滑な赤色腫瘤を認めた。画像所見にて左鼻腔後方から上咽頭,そして翼口蓋窩を占拠する著明な造影効果のある腫瘤を認め,血管造影で栄養血管を確認し若年性血管線維腫のRadkowskiの分類StageIIBと診断した。術中の出血を抑制するために,手術当日に選択的血管塞栓療法を施行した。経鼻内視鏡下に腫瘍を一塊に摘出し,術中の出血を80 mlに抑制できた。若年性血管線維腫の再発部位は翼突管が最多であると報告されており,摘出術では翼突管への腫瘍の残存に注意する必要があると考えられた。</p>

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参考文献 (13)*注記

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