マルトリートメントの理解に関する研修効果の検討―子ども虐待を低減するシステムの構築を目指して―

  • 椎野 智子
    福井大学子どものこころの発達研究センター情動認知発達研究部門 大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学・連合小児発達学研究科 福井大学医学部附属病院子どものこころ診療部
  • 榊原 信子
    大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学・連合小児発達学研究科 福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究部門
  • 友田 明美
    大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学・連合小児発達学研究科 福井大学医学部附属病院子どものこころ診療部 福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of Training Effect on Understanding Maltreatment–Towards a System to Reduce Child Abuse–
  • マルトリートメント ノ リカイ ニ カンスル ケンシュウ コウカ ノ ケントウ : コドモ ギャクタイ オ テイゲン スル システム ノ コウチク オ メザシテ

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説明

子ども虐待防止には,養育者が子どもを虐待する危機的状況になる前に,養育者が抱えるさまざまなリスクを早期に把握し支援する予防対策が重要である.本研究の目的は,神経生物学的研究から「子ども虐待の発生メカニズムおよび養育者支援に資するための科学的根拠」を見いだし,その成果を定着させるための社会実装事業を実施することである.そのため,今回はこれまで報告した科学的根拠や研究成果をふまえた研修を支援者である現場職員に対して実施し,理解度向上のための研修効果の確認と実態把握を行った.本研究の結果,研修の受講によって職歴に関わらずどの職員においても研修受講効果が期待できること,また異なる領域の職員が同一の研修を受けることにより共通理解を得られる可能性が示された.今後「適切な養育のあり方や親と子のかかわり方」を子育て家庭や地域市民に広げていく「マルトリートメント予防モデル」を構築し,効果的な研修などを定着させていく.

収録刊行物

  • 小児の精神と神経

    小児の精神と神経 60 (4), 337-343, 2021

    一般社団法人 日本小児精神神経学会

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