P-2-B18 重症心身障害児病棟における身体拘束緩和に向けた取組み

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抄録

はじめに 重症心身障害児(者)病棟では、患者の安全確保の目的で身体拘束を行っている。身体拘束を行うことで様々な弊害があるが、身体拘束を慢性的に続けている現状があり不要な拘束をなくすための取り組みが必要だと感じた。そこで身体拘束緩和カンファレンスを行い(以下、カンファレンス)拘束緩和することでスタッフの意識と行動に変化があるか明らかにすることを目的とした。 方法 研究期間:平成29年8月〜12月 対象:重症心身障害者病棟の看護師15名 方法:カンファレンスを行い拘束緩和を実施する。取り組み前後でアンケート調査を行いウィルコクソン符号付順位和検定を行う。 倫理的配慮 倫理委員会にて承認後、対象者に研究参加の自由性や途中拒否による不利益がないことを説明し同意を得た。 結果 アンケートの回収数15名(回収率は100%)であった。取り組み前後の変化で有意差があったのは「現在行っている抑制帯の拘束時間を短縮できると思いますか?」「拘束緩和に向けた取組みを行ったことがありますか」「拘束に伴う苦痛がないか観察を行っていますか?」の3点であった。決められた以外にも拘束を緩和する時間を作ろうとする傾向が見られた。自由記載の意見では「ミトンを外すと喜んでいた」「コミュニケーションの機会になった」等の意見が聞かれた。 考察 拘束緩和に対して多くの看護師が患者の安全確保を重視した結果、拘束緩和へ踏み切れないと感じていたと分かった。しかし、カンファレンスにより患者の問題点を明確化し解決方法を検討したことで、拘束時間を短縮できるという意識に変わったと考えられる。また拘束緩和することで患者の良い反応を実感し、充実感を得られたことがスタッフの拘束緩和へのさらなる 意欲の高まりにつながったと考える。今後、患者の人権を尊重した生活環境を提供するためにカンファレンスを継続して行う必要がある。

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