漢文景期小考

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  • カンブンケイキ ショウコウ

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秦始皇帝と漢武帝は、ことさら列挙するまでもなく共通点が多い。「秦皇漢武」と並び称せられるゆえんである。しかしこの2つの山に圧倒されて、文帝・景帝期は影が薄い。黄老思想のもと、積極的な施策もなく、諸侯王対策にあけくれただけという感が強いためであろう。しかし、武帝という山を見ているだけでは、なぜそんなに高くなったのかはわからない。始皇帝の前に孝公や昭嚢王、商鞍や李斯があったように、武帝をその高みに押し上げたものがあるはずである。始皇帝と武帝を点と点で結ぶだけでは全体像は把握できない。本稿では、始皇帝と武帝の共通項のうち、巡狩・封禅と対旬奴政策を取り上げ、それらが文景期においてどのように展開されたかを考察し、始皇帝から武帝への推移をあとづけたいと思う。

Journal

  • 奈良史学

    奈良史学 (23), 57-74, 2005-12-01

    奈良大学史学会

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