経皮的冠動脈形成術後患者におけるスタチンの再狭窄予防効果の検討

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  • Statin Therapy May Prevent Restenosis After Successful Coronary Intervention, Independent of Lipid-lowering Effect and CRP Level

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抄録

背景:スタチンには様々な抗動脈硬化作用があることが知られているが,我々は経皮的冠動脈形成術の再狭窄にスタチンが影響を与えるか,後ろ向きに検討を行った.方法:当院で2002年1月から2004年12月までの期間で経皮的冠動脈形成術を施行し,約6ケ月後に経過観察のための冠動脈造影を施行された341例を対象とした.207例がスタチン投与を受け(スタチン群),それ以外の134例は投与を受けていなかった(コントロール群).両群間で冠動脈造影所見とLDL コレステロール,CRP について比較検討を行った.結果:ベースラインではLDL コレステロール値はスタチン群で有意に高かった(116.0± 35.8 vs103.1 ± 24.5 mg/dL,p < 0.01).しかし6ケ月後の経過観察の時点では逆転していた(99.9 ±29.5 vs 107.6 ± 26.0 mg/dL,p=0.015).CRP は両群間で差はなかった.スタチン群ではコントロール群に比べて再狭窄率は有意に低下していた.(35.3 vs 46.3 %,p = 0.042).また再治療率も同様であった.(14.5 vs 23.9 %,p = 0.018).多変量解析では経過観察時のLDL コレステロール値やLDL コレステロール低下率は再狭窄率とは相関を認めなかった.結論:本研究ではスタチンがコレステロール低下効果やCRP とは関係なく経皮的冠動脈形成術後の再狭窄率や再治療率を減少させうることを示した.

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