真菌性腹膜炎症例から分離された<i>Candida</i>属に対する抗真菌薬の薬剤感受性と真菌性腹膜炎のリスクファクターのレビューおよびイトラコナゾールの臨床的ブレイクポイントに関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • Antifungal susceptibility of <i>Candida</i> species isolated from patient with invasive fungal peritonitis and investigation on clinical breakpoints of itraconazole
  • 真菌性腹膜炎症例から分離されたCandida属に対する抗真菌薬の薬剤感受性と真菌性腹膜炎のリスクファクターのレビューおよびイトラコナゾールの臨床的ブレイクポイントに関する検討
  • シンキンセイ フクマク エンショウレイ カラ ブンリ サレタ Candidaゾク ニ タイスル コウシンキンヤク ノ ヤクザイ カンジュセイ ト シンキンセイ フクマクエン ノ リスク ファクター ノ レビュー オヨビ イトラコナゾール ノ リンショウテキ ブレイクポイント ニ カンスル ケントウ

この論文をさがす

説明

<p>2001年1月から2007年6月に真菌性腹膜炎と診断された患者の腹水検体から分離したCandida属96株のitraconazole(ITCZ)およびその他抗真菌薬6薬剤に対する感受性を測定し,In vitroに抗真菌活性を評価した。Candida属に対するMIC測定はClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)M27-A3に準拠した微量液体希釈法で実施した。抗真菌薬は,amphotericin B(AMPH-B), fluconazole(FLCZ),itraconazole(ITCZ),miconazole(MCZ),voriconazole(VRCZ),micafungin(MCFG)およびflucytosine(5-FC)を用いた。 Candida属96株の内訳は,C. albicans 37株(38%),C. glabrata 30株(31%),C. tropicalis 16株(17%),C. parapsilosis 13株(14%)であった。薬剤感受性は,non-albicans Candidaに対して,概ねMCFG, VRCZ>ITCZ>FLCZの順であった。CLSIのブレイクポイントに従うと,C. albicans ではFLCZ耐性2株(5.4%),ITCZ耐性8株(21.6%),VRCZ耐性2株(5.4%)を認めた。真菌性腹膜炎の症例においてITCZ静注薬で治療された16症例についてレトロスペクティブに,臨床効果について検討した結果,ITCZのMIC値が1m g/mL以下は全例有効であったが,MIC値が2m g/mLでは無効例2例,有効例2例で,MIC値が4m g/mL以上では無効であった。CLSI基準ではCandida属に対するITCZのブレイクポイントは,S:≦0.125, S-DD: 0.25~0.5, R:≧1となっているが,自験例からはITCZのブレイクポイントをS:≦1, S-DD: 2, R:≧4のように設定するのが良いと考えられ,今後データを蓄積し,再評価するべきであると考えられた。</p>

収録刊行物

参考文献 (192)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ