妊娠期の夫婦間の話し合い度と育児期のゲートキーピングの関連:就業形態の組み合わせごとの検討

  • 大久保 圭介
    東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター
  • 唐 音啓
    東京大学大学院教育学研究科
  • 遠藤 利彦
    東京大学大学院教育学研究科
  • 野澤 祥子
    東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Association between the Degree of Marital Communication during Pregnancy and Gatekeeping during Parenthood: An Examination of Different Combinations of Employment Status
  • ニンシンキ ノ フウフ カン ノ ハナシアイ ド ト イクジキ ノ ゲートキーピング ノ カンレン : シュウギョウ ケイタイ ノ クミアワセ ゴト ノ ケントウ

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説明

<p>本研究の目的は,妊娠期における夫婦間の話し合いが,育児期において父親が知覚する母親からのゲートキーピング・ゲートオープニング行動に及ぼす縦断的な関連を明らかにすることであった。分析対象者は,合計1357組の夫婦ペアであり,子どもが0歳と3歳の2時点で得られたデータの分析を行った。妊娠中の話し合い度は,母親が,子どもが0歳時点で妊娠期のことを回顧的に評定したものを,ゲートキーピング・ゲートオープニングは,父親が,子どもが3歳時点で評定したものを分析に使用した。結果として,妊娠期の話し合い度とゲートオープニングの関連はいずれの就業形態の組み合わせの夫婦でも有意であったのに対して,ゲートキーピングとの関連は夫婦ともに正社員の組み合わせにおいてのみ有意であった。妊娠期の話し合い度合いによるゲートキーピング・ゲートオープニングの分散説明率は最大で10%ほどであった。本研究の結果からは,特に出産後にフルタイムで働くことを予定している夫婦にとっては,出産前に夫婦で話し合っておくことが重要であることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 33 (2), 55-64, 2022

    一般社団法人 日本発達心理学会

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