ネパールにおける灌漑と農業生産の多様性

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タイトル別名
  • ネパール ニ オケル カンガイ ト ノウギョウ セイサン ノ タヨウセイ

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本研究は,ネパール農業における灌漑設備の導入が,農作物の単収と多様化に及ぼす影響を分析した。灌漑が作物単収に及ぼす効果を明らかにするために,乾季の代表作物である小麦を取り上げ,作付作物の多様化についての分析には野菜の作付面積を使用した。データは2017/18年のNHRVSを使用し,OLSとトービット回帰分析を適用した。その結果,第一に,灌漑設備は乾季の小麦の単収に正の影響を与えることが明らかになった。灌漑設備の導入は安定的な農業用水の確保を可能にすることから,小麦の土地生産性が向上した結果と考えられる。第二に,灌漑設備は作付作物の多様化に寄与することが明らかになった。また,作付作物の多様化には,居住地から市場までの距離などが関係していた。本研究の分析結果は,ネパールにおける灌漑設備の導入が乾季の農業生産に正の影響を与えていることを示唆している。

収録刊行物

  • 開発学研究

    開発学研究 33 (1), 48-52, 2022-07

    藤沢 : 日本国際地域開発学会

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