ヤングケアラーのストレスの背景と支援の実態

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タイトル別名
  • ヤング ケアラー ノ ストレス ノ ハイケイ ト シエン ノ ジッタイ
  • Background of the Stress Experienced by "Young Carers" and the Current Situation of Support Systems for their Well-being

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説明

ヤングケアラーとは「本来、大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども」である。介護は成人が行うことが一般的であり、未成年者が介護を行っていたことはあまり知られていない。COVID-19 の流行が長期化する中、社会的な孤独、孤立や経済格差、高齢化により、若年の介護者は年々増加傾向にある。厚生労働省(2021 年)の調査では、世話をしている家族が「いる」と回答した子どもは、小学生 6 年生 6.5%、大学 3 年生では 6.2%であった。ヤングケアラーは、家庭内に有病者が生ずることで家庭内役割が派生する。青木1)は「孤独や孤立、心身の健康や学力、家庭・学校・社会生活、将来の選択に影響し、子どもの権利侵害の状況にいたることもある」と述べている。本研究ではヤングケアラーの背景と現状から当事者のストレス内容と支援の実態について文献研究を行った。結果、家庭内のプライベートな問題、家族役割として正当化されやすいことから自身がケアラーと自覚しにくく表面化しにくい。ストレスの背景には、学習を優先するより、家人の世話の割合が高くなり、就学や学校生活や健康面に「つらさ」という負担を与えていることが明らかになった。支援の実態に応じた施策は不十分で、課題として、「発見」と「理解」が必要であり、支援に繋げていくための福祉・介護・医療・教育の連携が重要であった。

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