鮮緑色の色沢でクワシロカイガラムシに強い煎茶用中生品種‘さやまあかり’の育成

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  • センリョクショク ノ シキタク デ クワシロカイガラムシ ニ ツヨイ センチャヨウ チュウセイ ヒンシュ'サ ヤ マア カリ'ノ イクセイ

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説明

‘さやまかおり’の色沢を改善したクワシロカイガラムシに強い多収で中生の煎茶用品種‘さやまあかり’は,埼玉県茶業研究所によって育成された。‘さやまあかり’は60F1-148を種子親,‘さやまあかり’を花粉親として,1981年に交配したF1実生群の中から選抜した。2012年から有望系統比較試験に供試し,その結果,優良と認められ2017年に‘さやまあかり’と命名し,出願公表された。樹姿は半直立型で樹勢はやや強い。摘採期は‘やぶきた’より1日早い中生品種である。収量は‘さやまかおり’より多収である。耐寒性は‘さやまかおり’と同程度で赤枯れに強いが,裂傷型凍害抵抗性は‘やぶきた’並みである。炭疽病には弱いが,クワシロカイガラムシには強い。製茶品質は,‘さやまかおり’のような渋味に加え旨味があり,色沢は鮮緑で‘さやまかおり’のような黒みがない。荒茶はやや茎が目立つが,歩留まりは‘さやまかおり’と同等である。‘さやまあかり’は全国の茶産地で栽培可能であるが,育成地以外に導入する場合は栽培特性の確認が必要である。

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