一側性難聴児のマスク装用における学校生活での聴取への影響および補聴器装用による聴取改善効果の検討

  • 金沢 弘美
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 窪田 和
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 谷口 貴哉
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 澤 允洋
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 髙橋 英里
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 民井 智
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 江洲 欣彦
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 吉田 尚弘
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Impact of Mask-wearing on the Hearing of Children with Unilateral Hearing Loss in School and the Effect of Hearing Aid
  • イチソクセイ ナンチョウジ ノ マスク ソウヨウ ニ オケル ガッコウ セイカツ デ ノ チョウシュ エ ノ エイキョウ オヨビ ホチョウキ ソウヨウ ニ ヨル チョウシュ カイゼン コウカ ノ ケントウ

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抄録

<p> 一側性難聴は, 難聴側からの聴取困難だけでなく, 雑音下での聴取困難, 音源定位の困難がある. 両側性難聴者だけでなく, 一側性難聴者もマスク装用下での聞き取り困難を感じている. この困難感は, 雑音の多い学校生活で1日を過ごすことが多い学童児が特に感じていることが危惧された. 今回は, 一側性難聴児の学校生活の中での聞き取り困難感を, マスク装用生活前後で比較した調査を行った. また希望者に対しては補聴器試聴を行った.</p><p> 対象は, COVID-19 流行時に当院に外来通院していた一側性難聴児31人である. コントロール群として健聴児15人をおいた. 方法はアンケート形式で, 雑音下聴取・音源定位・学業理解に関して4つの問いを設定し, VAS スケールで困難感として当てはまる程度を患児本人が記入した. 補聴器を希望した一側性難聴児は, 装用1~3カ月後に雑音下語音検査を行った. この結果, 難聴のレベルにかかわらず, 多くの一側性難聴児が, マスク装用生活後に聞き取り困難を感じていた. 11人が補聴器試聴を希望し, 9人が雑音下語音検査でその効果を認め購入に至った. 一側性難聴児は, 両側性難聴児と同様に, 学力の低下, 社会性の問題など, 年齢が上がるに連れて顕著になるケースがある. マスク装用生活が続いたことにより, 一側性難聴児が困難感を自覚するようになっている. 補聴器装用のほか, 聴取の環境調整, 心理・社会面など個別にサポートする必要がある.</p>

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参考文献 (10)*注記

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