『訓蒙図彙』元禄版本の「今云」注記の改訂

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  • 『 クンモウズイ 』 ゲンロク ハンポン ノ 「 イマ ウン 」 チュウキ ノ カイテイ
  • The Revision of “Nowdays We Say” Related Content in the Genroku Edition of Kinmōzui

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Abstract

「今云」注記は、初版本系統の三種の版本にのみ31例(全語彙数31項目)確認されるが、版を一新した元禄版本・寛政版本のほとんどの項目には見られず、引用語彙のみが継承されている。元禄版本・寛政版本は、「今云」注記の削除によって、何をめざしたのか。本稿では、「今云」注記をもつ三項目「蓼(たで)」「蕪菁(あをな・な)」「土肉(こ・なまこ)」を取りあげ、五種の版本の項目構成を検討する。これによって、元禄版本が、初版本の重視した漢語・和訓・下位分類等の多くを削除し、口語語彙・俗語語彙のみを残し、その代わりに本草学の薬効の記事を増補したことを考証し、中村惕斎の手を離れた元禄版本以降の『訓蒙図彙』が持つようになった本草書的な性格の質をあきらかにする。

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