不登校児童生徒数の増加に及ぼす社会的・時代的背景に関する考察

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Social and Historical Background to the Increase in the Number of Students Not Attending School
  • フトウコウ ジドウ セイトスウ ノ ゾウカ ニ オヨボス シャカイテキ ・ ジダイテキ ハイケイ ニ カンスル コウサツ

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説明

不登校は長きにわたり、日本における教育問題のひとつとして位置づけられ、さまざまな対策・支援などが行われてきている。しかし、不登校児童生徒は増加の一途をたどり、2022年度の調査においても、過去最多になっている。これまでの不登校理解のアプローチとして、不登校の原因や要因、きっかけの把握が行われてきている。しかし、このアプローチは不登校の原因等を児童生徒本人やその家族、または学校に帰属してしまうことにもつながっている。また、このアプローチでは、不登校の増加に関わる社会的・時代的背景を捉えることはできず、大局的な視点に立った支援につなげることが困難になっている。そこで本稿では、不登校の増加に関わる社会的・時代的背景として、①不登校を許容するという不登校の捉え方・対応の変化、②フリースクールや教育支援センター(適応指導教室)、オルタナティブスクールなど、学校以外の居場所・学びの場の増加、③身近に不登校を選択した児童生徒がいることによって生じる「学校に行かない」ことについての社会的学習、④通信制高校など小・中学校で不登校になった児童生徒の進学先校の増加、⑤学校に行くこと、偏差値や知名度の高い学校に行くことが「社会的な成功」であるという価値観の揺らぎと、それ以外の社会的成功への道の拡大、という5点を取り上げて考察を行った。

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