脳室腹腔シャントチューブが腸管内に迷入した1例

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タイトル別名
  • A Case of Straying of a Ventriculo-peritoneal Shunt Tube into the Intestinal Tract
  • ノウシツフクコウ シャントチューブ ガ チョウカン ナイ ニ メイニュウシタ 1レイ

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抄録

<p>症例は39歳,女性。多発性髄膜種に対して脳室腹腔シャント(以下,VPシャント)が造設されていたが,発熱・意識障害をきたし当院へ救急搬送となった。頭部CT検査で左側脳室の拡大を認めたため脳室ドレナージ術を施行した。発熱の原因精査およびチューブ先端位置の確認目的に腹部単純CT検査を施行したところVPシャントチューブの腹腔側が小腸内に約20cm迷入していた。腹部に圧痛はなく腹膜刺激症状は認めなかった。発熱の原因はVPシャントを介する逆行性感染による髄膜炎と考えられた。局所麻酔下に腹壁皮下でVPシャントチューブを離断後に脳室側は抜去とし,腹腔側のチューブは腹壁に固定し外瘻化の方針とした。2週間後の造影検査で瘻孔の形成を確認後にチューブを抜去した。VPシャントチューブの腸管内迷入に対して,外瘻化を施行した症例は検索した限り認めなかった。自験例では外瘻化することで全身麻酔下での手術を回避でき有効な治療法であったと考えられた。</p>

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