大学への不本意入学による進路変更と退学後のかかわり

書誌事項

タイトル別名
  • Support for a Student who Changed Course and Withdraw from College: A Case of Unwilling Enrollment
  • ダイガク エ ノ フホンイ ニュウガク ニ ヨル シンロ ヘンコウ ト タイガク ゴ ノ カカワリ

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抄録

<p>本研究では,在学中に不本意入学を主訴に来談し,希望する大学への入学とともに終結した後もかかわりをもつことになった学生(以下,CL)との面接過程を通して,退学後のかかわりとその意味を考察した。CLの進路決定から変更の経緯を振り返ると,再受験の決断は,自己主張し自分の意思を尊重することであった。それは親やカウンセラー(以下,CO)から分離・自立することであり,これまでの自己のあり方を大きく揺さぶるものだった。在学中の面接では,大学生をしながら浪人生として受験勉強をする,いわゆる“仮面浪人”としての大学生活の乗りきり方や,受験勉強に取り組むことの難しさがおもな話題だった。CLは実際それらに苦心していたが,自己主張したことや分離・自立の不安や戸惑いを喚起しないように,再受験の意味合いを考えることから遠ざけていたようにも考えられた。自分の意思を尊重することに取り組んだ意義は,退学後のかかわりの中で徐々に内省し洞察されていった。退学後のかかわりは,自己主張して親やCOから離れ自立し,自分の課題に取り組むための整理を行い,新しい環境に慣れるための移行期間だったと考えられる。CLはこの移行期間を元の大学のCOに委ねたのだと考える。</p>

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