中小企業の経営課題とSDGs 経営の実例

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タイトル別名
  • Management Issues of Small and Medium-Sized Enterprise and Actual Examples of SDGs Management
  • チュウショウ キギョウ ノ ケイエイ カダイ ト SDGs ケイエイ ノ ジツレイ

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抄録

現在、日本における中小企業は企業数で99.7%、従業者数で68.8%、付加価値額で52.9%と大きなシェアを占めている。こうした日本経済における中小企業のプレゼンスの大きさを踏まえると、マクロの生産性動向を把握するうえでは、中小企業の動向を把握していくことが重要である。 本稿では、SDGs経営をケースとして、日本の中小企業経営を考える。経営指標として代表的な、「労働生産性」及び「全要素生産性」を用いて分析を行うこととする。中小企業におけるSDGsの取組みは、長期的には、経営の強化や事業の持続性につながり、結果として「会社の利益」につながり、経営のプラスになるものであると考えられる。 2015年国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されて以来、SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)は産業界や教育界を中心に広く知られるようになってきた。中小企業にとっても、企業価値や競争力の向上を図るうえで、SDGs への取り組みが重要となってきている。SDGsは、価値の源泉である。 近江商人の「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」の精神にも見られるように、「会社は社会のためにある」と考える日本企業は多い。日本企業にとってSDGsとは、決して舶来の未知のものではなく、企業理念や社訓を礎に、長らく自ずと意識し実践してきた取組が、別の形で具体化されたものといえる。

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