拍動性耳鳴により診断に至った外傷後頭蓋内動静脈瘻の2症例

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タイトル別名
  • Intracranial arteriovenous fistula accompanied by post-traumatic pulsatile tinnitus: A report of two cases
  • ハクドウセイ ミミナリ ニ ヨリ シンダン ニ イタッタ ガイショウ コウトウブタ ナイドウ ジョウミャクロウ ノ 2 ショウレイ

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説明

<p>外傷性耳鳴は騒音,耳部・頭部・頸部・精神的な外傷の後に始まる耳鳴であり,うち25%は拍動性である.外傷後拍動性耳鳴は血管性疾患など器質的疾患が背景にある可能性もある.本稿では,外傷後に拍動性耳鳴を生じ,頭蓋内動静脈瘻の診断に至った2症例を報告する.症例1は交通外傷後拍動性耳鳴が改善せず脳外科受診したところ,外傷性内頸動脈海綿静脈洞瘻の診断に至り,経静脈的塞栓術にて症状消失した.症例2は交通外傷後左耳小骨離断に対する左鼓室形成術後より左拍動性耳鳴を自覚し,脳外科にて硬膜動静脈瘻を指摘され,経動脈的塞栓術にて症状消失した.頭蓋内動静脈瘻の約20%の症例において初発症状として拍動性耳鳴を認める.そのため外傷後新規に拍動性耳鳴を認める場合は血管性の可能性も考慮し,血管性雑音の聴取など詳細な診察を行い,他科との連携を図ることが重要である.</p>

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