訪問看護ステーションの活動を活性化する方法に関する研究

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タイトル別名
  • Enhancing Activities of Home Care Nursing Agencies
  • ホウモン カンゴ ステーション ノ カツドウ オ カッセイカ スル ホウホウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究の目的は、訪問看護ステーション(以降、ステーションと記す)が地域資源としての機能を発揮するために重要となる要素を探求することを通して、ステーションの活動を活性化する方法を検討することである。  そのため、地域資源として有効に機能する4ステーションの活動実績から、ステーションが地域における活動基盤をつくる上で重要となる要素(以降、重要な要素と記す)を取り出す。次に、全国と比してステーション設置率が低い一老人保健福祉圏域を取り上げ、当圏域内10ステーション(以降、A圏域HSと記す)の管理者から、地域における活動基盤づくりに関する認識を把握し、重要な要素に照らして分析することによりA圏域HSの特徴を捉える。  その結果、29項目の重要な要素を抽出し、【適切な訪問看護サービスの提供】【援助関係者とのパートナーシップ構築】【家族を単位とした看護の展開】【地域資源としての基盤づくり】【組織内部の基盤づくり】【地域ケア充実に向けた貢献】の6カテゴリーを見出した。また、A圏域HS管理者は【組織内部の基盤づくり】に関する意識不足や困難感を抱え、【家族を単位とした看護の展開】及び【地域ケア充実に向けた貢献】に該当する重要な要素の内容が認識されていないことがわかった。  重要な要素の6カテゴリーは、ステーションが地域資源として機能するための基本的な構成要素であり、ステーションは地域資源としての機能を高める過程で、【組織内部の基盤づくり】【家族を単位とした看護の展開】及び【地域ケア充実に向けた貢献】の実現に課題を抱える可能性があることが示唆された。以上のことから、ステーションの活動を活性化するには、管理者の問題意識を起点にした実践改善の取組みを支援する学習機会、訪問看護師のもつ地域情報を公衆衛生看護活動の充実につなぐことが求められると考えた。

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