男子大学陸上長距離選手の貧血指標の改善およびパフォーマンス向上に向けた乳たんぱく質および鉄強化食品の摂取

  • 山﨑 香枝
    株式会社明治乳酸菌研究所栄養機能研究部
  • 山口 真
    株式会社明治乳酸菌研究所栄養機能研究部
  • 小林 裕幸
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター水戸協同病院総合診療科
  • 中田 由夫
    筑波大学体育系

書誌事項

タイトル別名
  • ダンシ ダイガク リクジョウ チョウキョリ センシュ ノ ヒンケツ シヒョウ ノ カイゼン オヨビ パフォーマンス コウジョウ ニ ムケタ ニュウタンパクシツ オヨビ テツ キョウカ ショクヒン ノ セッシュ

この論文をさがす

説明

<p> 【目的】 </p><p> 陸上長距離選手に貧血は多発し、競技力に影響を及ぼすため、改善すべき症状である。そこで、貧血傾向にある陸上長距離部門に所属する男子大学生を対象に、たんぱく質と鉄の継続的な摂取をサポートし、貧血指標、コンディション、パフォーマンスの変化を調査した。</p><p> 【活動内容】 </p><p> 対象者4名に、乳たんぱく質飲料、鉄強化食品を約1年間摂取させた。期間中に4回、血液検査を実施し、ヘモグロビン、フェリチン、血清鉄を調査した。また、食事調査を3回実施し、鉄の摂取量を含む栄養摂取状態を調査した。サポート期間中は、生活日誌を記録させ、体調等を確認した。</p><p> 【成果】 </p><p> 貧血指標については、対象者4名のうち、ヘモグロビンが改善した者が2名、血清鉄が改善した者が3名であった。フェリチンは明らかな改善が見られなかった。コンディションについては、対象者4名のうち、3名に好影響が見られた。また、対象者4名全員が自己ベストを更新した。</p><p> 【今後の課題】 </p><p> フェリチンを改善させるためには、栄養教育等のサポートをさらに工夫して、年間を通じて、十分な鉄、たんぱく質、消費量に見合ったエネルギー量の摂取が必要であることが示唆された。貧血指標の推移を確認するためには、3ヵ月に1回程度の定期的な血液検査が必要となり、実施面での課題がある。今後、簡易的なヘモグロビン測定装置を用いるなど、評価方法の工夫が必要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ