1950年代の谷口吉郎の著作にみる伝統論

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  • 1950ネンダイ ノ タニグチ キチロウ ノ チョサク ニ ミル デントウロン

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説明

本研究は1950年代の谷口吉郎の伝統論の特徴を明らかにするものである。研究の結果,合理主義的な伝統理解とロマン主義的伝統理解が並存する点が確認でき,前者の内訳として,1930年代に形成された伝統理解全般および空間による伝統の把握に類する内容が基本要素として指摘できる他,対象期間を通じて最も多く見られたのが,風土・気候による伝統理解に類する内容であった。また1950年代の伝統論争における和風建築批判への応答として,都市の乱雑さへの懸念に関する言説が挙げられ,民衆論的な視点のもと,個人住宅に見られた床の間などの美的要素を公共の空間において実現することが模索された点が注目されよう。

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