モモ「白鳳」のみつ症発生要因とその対策

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  • モモ 「 シロ ホウ 」 ノ ミツショウ ハッセイ ヨウイン ト ソノ タイサク

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抄録

近年の温暖化に伴う気候変動により発生が増加しているモモのみつ症について、岐阜県の主要品種「白鳳」を供試し、成熟期の高温や低温が発生に及ぼす影響を検討した。ビニールハウスによる高温処理では、実施した2年間ともに発生が助長されず、みつ症の発生に及ぼす影響は認められなかった。ポット樹を用いた冷蔵庫による低温処理では、処理年次により結果が異なり低温の影響が判然としなかったが、みつ症発生には成熟期の高温や低温以外に土壌水分の関与が示唆された。また、果実の特徴では、大玉で糖度が高く、熟度の進んだ硬度が低い果実ほど発生率が高いことが確認された。このため、本摘果時の着果量および収穫時の熟度を変えて検討した結果、慣行の1.5倍の着果量で果実肥大を抑えることや、慣行より早めの早期収穫により、みつ症の発生軽減効果が認められ、双方を組み合わせることでより高い軽減効果が得られた。今後は土壌水分の多少がみつ症に及ぼす影響や多雨時の樹冠下マルチ処理による軽減効果について検討が必要と考えられた。

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