場面緘黙児の下位類型化の試み:SCQ,CCC-2,SCAS を用いて

  • 臼井 なずな
    大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
  • 大井 学
    金沢大学子どものこころの発達研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Subclassification of Children with Selective Mutism:Using SCQ, CCC-2, SCAS
  • バメンカンモクジ ノ カイ ルイケイカ ノ ココロミ : SCQ, CCC-2, SCAS オ モチイテ

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説明

場面緘黙の典型的な症状は,学校などで話せなくなることであり,不安が主要な特徴とされている。しかし近年,背景には不安のほかにも多様な問題が存在していると指摘されている。本研究の目的は,場面緘黙児の中で背景要因の異なる下位グループを見い出すことである。22 名の場面緘黙児を対象として,自閉症特性(SCQ),コミュニケーション力(CCC-2のGCC),不安症状(SCAS)の尺度を用いてクラスター分析を実施した。その結果,11 名は「クラスターⅠ(相対的に高いコミュニケーション力を示す群)」に,8名は「クラスターⅡ(相対的に高い自閉症特性を示す群)」に,3名は「クラスターⅢ(高い不安症状を示す群)」に分類された。クラスターⅠでは,分離不安と社交不安の高さが確認されたが,そのほかに目立った併存症はみられなかった。クラスターⅡはASD の併存が,クラスターⅢは不安症の併存が疑われ,クラスターⅡとⅢにおいてはコミュニケーション力の低さも確認された。

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