孤立性内臓動脈解離37例の検討

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タイトル別名
  • Study of 37 Cases of Isolated Dissection of a Visceral Artery
  • コリツセイ ナイゾウ ドウミャク カイリ 37レイ ノ ケントウ

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説明

<p>孤立性内臓動脈解離は比較的まれな疾患であるが,画像診断の向上により報告数が増加している。症例の蓄積でガイドラインが作成されるに至っているが,いまだその原因や自然歴,性差,予後,治療法などで不明な点が多く残されている。自験例37例について,患者背景や症状,診断法,治療について集計し検討を行った。平均年齢は58.5歳で,そのうち34例が男性,女性は3例で少数であった。急性発症の場合は腹痛を訴えた症例が25例で,背部痛やイレウス疑いで診断された例もあった。12例は偶発的に発見された。71.4%の患者は保存的治療が施行されており,症例に応じて降圧療法や抗血栓療法が施行されていた。侵襲的治療は28.6%で施行されており,死亡例はSMA解離により発症した腸管虚血の1例のみであった。孤立性内臓動脈解離は概して予後良好で多くの場合は保存的加療で対処可能であるが,腸管虚血の所見を見逃さず,適切な治療を行うことが重要である。</p>

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