多発髄外腫瘤を伴った<i>IgH::MYC</i>陽性多発性骨髄腫

書誌事項

タイトル別名
  • Multiple myeloma with <i>IgH::MYC</i> and multiple extramedullary lesions
  • 多発髄外腫瘤を伴ったIgH::MYC陽性多発性骨髄腫
  • タハツズイガイ シュリュウ オ トモナッタ IgH::MYC ヨウセイ タハツセイ コツズイシュ

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説明

<p>症例は41歳女性。右肩痛の精査中,CTにて溶骨を伴う多発腫瘤病変,血液検査にてIgA-λ型M蛋白が認められた。骨髄flow cytometryではCD38・CD138陽性,Igλ≫κの細胞集団を1.4%ほど認めるのみだったが,G-bandにて46,XX,t(8;14),(q24;q32)を20細胞中4細胞で認めた。髄外腫瘍の生検では異型形質細胞の密な増殖を認め,FISH法でIgH::MYC融合シグナルを96.4%に認めた。症候性多発性骨髄腫と診断し,BLd療法を開始したところ,著明なM蛋白減少,髄外腫瘤縮小を得られた。4コース後に髄外病変の増大を認めたが,EPOCH療法,放射線照射にて消失し,完全寛解を達成した。以後,大量化学療法・自家末梢血幹細胞移植の後,lenalidomide維持療法を施行しているが,1年以上完全寛解を維持している。IgH::MYC単独異常を呈する多発性骨髄腫は極めて稀で,高い腫瘍増殖能を示し予後不良と考えられるが,新規薬剤に加え従来型化学療法,放射線治療の有効性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 65 (3), 147-152, 2024

    一般社団法人 日本血液学会

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