炙甘草湯が奏効した起立性調節障害の2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Orthostatic Dysregulation Successfully Treated with Shakanzoto
  • シャカンゾウ ユ ガ ソウコウ シタ キリツセイ チョウセツ ショウガイ ノ 2レイ

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説明

<p>起立性調節障害は,自律神経系の機能障害による下半身への血液貯留を主病態とし,其の結果,心拍出量や循環血液量の低下により起床困難,立ちくらみ,倦怠感,動悸などを生じる疾患である。その治療は水分や塩分の補充など非薬物療法と塩酸ミドドリンなどの薬物療法が知られているが,今回我々は炙甘草湯による漢方治療が有効であった2例を経験した。症例1は15歳男性で2年前から朝に倦怠感,起床困難,動悸を認め,自覚症状及び新起立試験法により起立性調節障害と診断された。炙甘草湯を処方し,2週間後に症状が軽快し登校も可能となった。症例2は14歳女性で5年前より朝の倦怠感,嘔気,ふらつき,動悸を認め,同じく自覚症状と新起立試験法により起立性調節障害と診断された。炙甘草湯を処方し4日目に症状が軽快し登校可能となった。起立性調節障害に対する炙甘草湯の有効性についての文献は無く,貴重な症例であると考えられたので報告する。</p>

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