スサノヲ・根の国・出雲

書誌事項

タイトル別名
  • Susanō, Ne-no-kuni, and Izumo: The Mythological Circle of Death and Rebirth in <i>Kojiki</i> and <i>Nihon-shoki</i>
  • スサノヲ・根の国・出雲 : 古事記・日本書紀の表現を通して
  • スサノオ ・ ネノクニ ・ イズモ : コジキ ・ ニホンショキ ノ ヒョウゲン オ トオシテ
  • ――古事記・日本書紀の表現を通して――

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説明

<p>スサノヲの神格の変貌を成長と捉える論も見られるが、神話の論理においては成長という概念は適切とは言えない。スサノヲの神話は、アマテラスの天石屋戸隠りやオホナムチの「根の堅州国」訪問などを参照すれば、成長という一方向ではなく、死と復活という神話的観念を基盤としていると読むべきである。即ち、スサノヲはアマテラスの死と復活の神話に関与するとともに、「根の国」への「神やらひ」と出雲などへの降臨によって死と復活を体現し、出雲での御歌もその延長線にある。スサノヲの御歌は古今集仮名序などで和歌の起源とされるが、そこで参照されるのは古事記と日本書紀の双方からである。従って、本稿では古事記と日本書紀の差異を見定めつつも、その両書を横断する形でスサノヲに対する神話的観念を明らかにするというのが目論見である。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 69 (6), 1-11, 2020-06-10

    日本文学協会

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