尺度の個人内分散を用いた回帰モデルの提案

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タイトル別名
  • A Regression Model for Questionnaires: When a Regressor is the Within-Subject Variance
  • シャクド ノ コジン ナイ ブンサン オ モチイタ カイキ モデル ノ テイアン

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抄録

教育心理学研究においては, 直接測定の出来ない心理学的構成概念が研究対象となることがしばしばであり, 同一の概念を測定していると考えられる項目を複数用意することで尺度を作成し, その平均・または1因子の因子分析モデルによる因子得点によって, 各個人の心理学的構成概念の大小を数値化する。しかし, 実際の解析の際にしばしばみられることであるが, 平均得点の大小だけでなく, 各個人の反応の変動性も重要な情報を提供するであろうという状況がしばしば存在するものと思われる。しかし, 個人内の分散についての情報を積極的に利用する解析手法は, これまで開発されてこなかった。そこで本研究は, 古典的テスト理論における弱同族測定モデルに個人ごとの変量効果を導入し個人内分散の母数を考えることで, 平均だけでなく個人内分散も, 他の変数・尺度の説明変数となるモデルを提案する。本方法は尺度研究だけではなく, 学習効果のない反復測定の個人内分散に関する研究にも応用可能である。シミュレーションデータにより, 本研究の母数推定法の妥当性を確認し, FFPQの情動性の個人平均と個人内分散を, STAIの説明変数とする回帰を行い, 本研究の有用性を示した。

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