労働福祉と共生||ロウドウ フクシ ト キョウセイ

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  • ロウドウ フクシ ト キョウセイ
  • Worker's Welfare and“Conviviality"

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抄録

20世紀終盤の経済のサービス化の進展を、自律性を奪い他律性を強要する現象と捉えていた研究がある。このような経済のサービス化の進展にみられる経済領域のさらなる拡張は、管理された制度に依存的となり自ら成し遂げる能力の喪失した状態を作り出す。だがそのサービスの需要側が、それを自律的に自分のための労働として私的領域へ、さらに共生の領域へと取り戻していくなら、そのような依存的な自己成就能力を喪失した状況は、やがて消失する方向に向かう可能性がある。そのような自律性を取り戻していこうとする試みは、経済の在り方についての再考をせまるものであるが、実際には、従来から試みられてきた。例えば労働者協同組合の運動がそれである。今日では、非営利組織の活動の中にもそのような試みを見出すことができる。このような試みの一つの特徴は、出くわした社会的問題を解決すべく共に教え学び合いながら主体的に実践していく協同の過程にある。本稿では、対照的なかたちで展開された共生の活動への取り組みの例をまず考察し、それからそのような取り組みの延長線上にある社会的企業の運動を取り上げ、その結果を労働福祉の社会学的研究の枠組みにさらに組み入れようと試みる。

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