東京大学千葉演習林における天然林資源の現状

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  • トウキョウ ダイガク チバ エンシュウリン ニ オケル テンネンリン シゲン ノ ゲンジョウ

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抄録

天然林を適正に管理していくうえで,その資源状況を正確に把握しておくことは重要な課題の一つである。本研究では,約1,300haの天然林を持つ東京大学千葉演習林において調査を行い,資源量,サイズ構造,種組成の現状を明らかにした。2019年から2020年にかけて,針広混交天然林と広葉樹天然林に0.03~0.1haの円形プロットを計39か所設置し,樹種と胸高直径(DBH),樹高を測定した。立木本数密度と林分材積の平均値は,針広混交天然林が1,842本/haと624.2m3/ha,広葉樹天然林が3,123本/haと483.3m3/haであり,千葉県による統計値を大幅に上回る資源量を有していた。平均DBHと老齢林指数の平均値は,いずれも針広混交天然林(15.6cmと0.66)が広葉樹天然林(13.3cmと0.43)に比べて有意に大きな値となった。材積比率でみたときの主な構成樹種は,針広混交天然林がモミ(45%),アカガシ(10%),スダジイ(9%)の順,広葉樹天然林がアカガシ(31%),スダジイ(29%),ウラジロガシ(9%)の順であった。

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