血液透析中の肝細胞癌患者に対しアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法が可能であった一例

書誌事項

タイトル別名
  • Successful treatment of a patient with hepatocellular carcinoma on hemodialysis using a combination of atezolizumab and bevacizumab: A case report
  • ケツエキ トウセキ チュウ ノ カン サイボウ ガン カンジャ ニ タイシ アテゾリズマブ+ベバシズマブ ヘイヨウ リョウホウ ガ カノウ デ アッタ イチレイ

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抄録

<p>症例は61歳男性.6年前から糖尿病性腎症による腎不全で血液透析を導入された.30代でC型慢性肝炎を指摘されインターフェロン療法を受けたがウイルスは消失しなかった.40代から肝細胞癌に対して穿刺局所療法や塞栓療法を繰り返し受けてきたが,多発再発が指摘された際に造影剤アレルギーが発症したため塞栓療法が施行困難となり,アテゾリズマブ(Atezo)+ベバシズマブ(Bev)併用療法を開始した.Atezo+Bev併用療法は透析患者に対する投与の報告例はなく有効性や安全性は不明である.我々の症例ではAtezo+Bev併用療法開始後に甲状腺機能低下症と脳出血を来した.しかし,レボチロキシンナトリウム水和物投与とBev投与中止することで長期間にわたり投与継続できており,有害事象の早期発見と対応を行うことで血液透析中の肝細胞癌患者にもAtezo+Bev併用療法を行うことができると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 64 (12), 632-640, 2023-12-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (19)*注記

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