福島第一原子力発電周辺の淡水域における水中に生息する水草および藻類における放射性セシウム移行

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タイトル別名
  • Fate of radiocesium in freshwater aquatic plants and algae in the vicinity of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant

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抄録

福島第一原子力発電所周辺の河川(1地点)およびため池(4地点)に生育していた水草(5種)および藻類(3属)への放射性セシウムの移行挙動を調べた。堆積物-植物移行係数[($^{137}$Cs Bq/kg-dry weight plant)$\times$( $^{137}$Cs Bq/kg-dry weight sediment)$^{-1}$]は、水草では河川に生育していたエビモが5.55と最も高く、ため池から採取したヒルムシロが3.34$\times$10$^{-2}$と最も低く、同属の水草でも違いがあることが示された。糸状藻({\it Spirogyra} sp.)およびシアノバクテリアの水-植物移行係数[($^{137}$Cs Bq/kg-dry weight plant) $\times$ ($^{137}$Cs Bq/L water)-1]は、それぞれ2.39$\times$10$^{3}$、1.26$\times$10$^{3}$であることが示された。採取水中におけるシアノバクテリア画分のみの$^{137}$Cs濃度は、4.87$\times$10$^{-1}$Bq/Lであり、シアノバクテリアが生息していた水中のセシウム濃度と同オーダーであり、シアノバクテリアへの顕著な放射性セシウムの濃集は確認されなかった。

収録刊行物

  • Limnology

    Limnology 17 (2), 111-116, 2016-04

    Tokyo : Springer Japan

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