プレキャストコンクリート板を用いた地中連続壁工法

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抄録

掘削工事において地中連続壁工法は, 現在多く用いられているが, この工法にも幾つかの難点がある。例えば, 施工管理, 品質管理の困難さ, コンクリートと鉄筋との付着力の推定難及び壁の垂直精度や表面精度が悪いことである。本報告はこれらの点を解決する方法として地中壁をあらかじめ地上で造っておき, このプレキャスト部材を泥水溝中にそう入する地中プレキャスト工法を提案している。そして, この工法を適用する際, 重要な問題となる溝中に残留する泥水を地上からの固化剤で固結処理しようとするものである。すなわち, 溝側面の安定のために使用される泥水は, ケイ酸ソーダやセメントなどの固化剤を投入し溝底部に設置した管からの気泡によって硬質粘土に似た, 透水性の低い物質に変状されるわけである。しかも, 泥水固化物の強度や物性が固化剤の調合によって調整できると述べている。この泥水固化を伴う地中プレスキャストコンクリート壁工法が実際の現場に実施され, 特に工費節減, 無振動, 無騒音, 止水性などの面にかなりの実績のあったことを報告している。

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