騒音対策を考慮したニューマチックケーソン工事

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抄録

ニューマチックケーソン工法は, 他の基礎工法と比べて有利な特徴をもっていることから広く採用されている。しかし反面, この工法では高圧空気に伴う騒音発生が特に市街地工事の場合の問題となっている。従来の排気音対策としては, ケーソン側壁内に排気する, 水中に排気する, 一般用消音器の使用, などがあるが必ずしも十分な効果は得られていない。本文は, 東北新幹線久喜線路橋の下部工において試作したエアロック排気用消音器を中心にその効果を調べた結果を報告したものである。この消音器は従来の一般用消音器との併用を前提とし, 吸音部(φ1100mm)にはグラスウール繊維を厚さ7cmで内貼し, 空気排出部はダクト(管)構造として吸音効果の式に基づき管径φ300mm, 管長l=1200mmとしている。消音効果は音源から10m離れて測定した結果, 無対策状態の騒音レベル107ホンから68ホンへの低減が確認された。排気抵抗への影響も少なく, 低廉な製作費など実用的であることも明らかとなった。また, エアロック下扉の吸気管出口部の改良により噴流による騒音を約10ホン低減することができた。

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