血漿交換療法による早期のFree Light Chain除去は多発性骨髄腫による急性腎障害の改善に有用である

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  • Improvement of Acute Kidney Injury with Plasma Exchange to Achieve Early Reduction of Serum Free Light Chain in Multiple Myeloma

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多発性骨髄腫(MM)においてcast nephropathyによる急性腎障害(AKI)は重要な合併症の一つである.化学療法に血漿交換療法(PE)を併用することで,早期のfree light chain(FLC)減少,腎機能改善が報告されている.しかしPEの有用性は未だに議論が分かれている.今回,AKIを呈したMM患者に対してPEを施行した12例について臨床的検討を行った.PE開始時の腎機能(eGFR)は,4.4~33.4mL/min/1.73m^2で,7例で血液透析を併用した.10例で化学療法開始後10日以内にPEを開始された.治療開始後8例で部分反応(partial response:PR),完全反応(complete response:CR)を達成し,7例中5例で透析離脱が可能となった.化学療法開始後早期にPEを併用することは腎機能改善に有用と考えられた.一方,ネフローゼレベルの尿蛋白,アミロイドーシス合併,FLC比高値例では腎機能改善が得られず,これらの症例ではPEの腎機能改善が乏しかった.

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