サッポロフキバッタ Podisma sapporensis の形態変異に関する分析

書誌事項

タイトル別名
  • Analyses of Morphological Variation in the Brachypterous Grasshopper, Podisma sapporensis (Orthoptera, Podisminae)

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説明

1. サッポロフキバッタを材料に, 北海道内の13個体群について形態変異のパターンを調べた.2. 個体群間で形態形質の変動係数を比較したところ, 前翅長の分散が個体群内でも個体群間でももっとも大きかった.3. 正準相関分析をもちいて形態と環境パラメータとの相関構造を探ったところ, 高度と緯度が高くなるほど体長が大きくなる傾向が見られた.4. 自己相関分析により形態形質の類似性と個体群間の距離との関係を調べた.個体群間の距離が近いほど形態が類似している, という傾向は検出されなかった.この結果から, 個体群間の形態変異は, 遺伝的浮動によって生みだされたものであるか, もしくは, 地域個体群により環境がまったく異質なため地理的距離と関連しない自然選択によって生みだされたことが示唆される.

収録刊行物

  • 昆蟲

    昆蟲 62 (1), 225-234, 1994-03-25

    東京昆蟲學會

被引用文献 (2)*注記

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