子宮内膜症における血中CA19-9測定の臨床的意義

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  • Clinical Significance of CA19-9 for Endometriosis

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血清CA19-9が子宮内膜症の診断および治療効果の判定マーカーとなり得るかどうかについて, 血清CA125の場合と比較しながら検討した. さらに, 子宮内膜症組織におけるCA19-9とCA125の局在について免疫組織化学から検討した. 1. 子宮内膜症における血清CA19-9の陽性率は52.0%であった. その頻度は, 内性, 外性内膜症の間で差を認めなかった. 血清CA125では陽性率は48.0%であった. CA19-9とCA125の陽性例は一致せず, 両マーカーを併用することにより陽性率は71.4%に上昇した. 2. Beecham分類で比較したところ, 進行するにつれて血清CA19-9の陽性率が高くなる傾向を示した. 3. 手術療法あるいはダナゾール療法を施行した症例についてCA19-9の推移を追跡したところ, 臨床症状の改善とともに陰性化し, 治療効果判定のためのマーカーとなることが判明した. 4. 免疫組織化学では, CA19.9はチョコレート嚢胞の腺上皮細胞に局在するが, 子宮腺筋症では局在を認めなかった. これに対して, CA125は両者において局在を示した. 両マーカーの局在パターンは相違している. 以上より, CA19-9とCA125はそれぞれ独立したマーカーと考えられる. CA125ばかりでなくCA19-9も同様に測定することによって, 治療効果判定のためのマーカーを得る機会を増すことは臨床的意義が大きい.

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