日本人閉経後女性の更年期障害に対するカウンセリングの有用性
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of Counseling on Climacteric Symptoms in Japanese Postmenopausal Women
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説明
目的:更年期の不定愁訴には心理的因子が関与していることが知られており, カウンセリングは有効な治療法のひとつとされているが, その改善効果の実際についてはいまだ明らかではない.そこで, 今回我々はカウンセリングによる更年期障害の改善効果を客観的に検討し, ホルモン補充療法(HRT)によるそれと比較した.方法:カウンセリングの前後で慶應式中高年健康維持外来調査表による評価が可能であった閉経/卵摘後女性44名(年齢51.4±3.4歳, 閉経/卵摘後期間3.6±3.4年)を対象とした.結果:カウンセリングにより, 調査表40項目の平均で0.36の愁訴の低下が認められ, 44名中40名(90.9%)が全体として愁訴が改善した.年齢, 閉経/卵摘後期間と改善度との間には相関は認められなかった.粗点の変化を改善, 不変, 悪化に分けて評価したところ, 改善が多かったのは「頭が痛い」「心臓のどうきがある」「夜眠ってもすぐ眼を覚ましやすい」の順であり, 上位12項目中に身体的症状が6項目含まれていた.一方, 精神的症状のうち3項目は21位以下であった.カウンセリングによる愁訴の改善パターンはHRTによるそれとは異なっていた.結論:カウンセリングは閉経後の愁訴の改善に有用であり, 精神的症状のみならず身体的症状にも有効であると思われた.また, カウンセリングはHRTによる愁訴の改善を補完する可能性があると考えられた.
収録刊行物
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- 日本産科婦人科學會雜誌
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日本産科婦人科學會雜誌 53 (10), 1745-, 2001-10-01
日本産科婦人科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1540291245360912000
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- NII論文ID
- 110002184874
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- NII書誌ID
- AN00190060
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles