東電大井火力建設工事におけるケミコパイルによる地盤改良工法

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説明

東京電力では, 東京湾内大井ふ頭埋立て地の北側に, 火力発電所(出力105万kw)を建設している。このうち, 復水器冷却用水路の放水路施工にあたって, 土留め工, および仮締切りの地盤改良工法にケミコパイル工法を採用して, その目的を達した。ここでは, 工事概要のうち, 地盤の性質, 工法の検討, 試験工事, 本設計, 施工および改良後の結果について述べている。工法検討はつぎのように行なった。鋼矢板根入れ部の粘土層(自然含水比が高く, 液性限界に近い)の強度(原地盤ではc=0~0.3 kg/cm^2)が不足で, これをc=0.5 kg/cm^2(F_s=1.5)まで改良する必要があったので, まず, 1)ケミコパイル工法, 2)載荷盛土によるサンドドレーン工法, および3)薬液注入工法を考えた。しかし, 工期, 工費, および効果(試験工事結果から判断した)から, ケミコパイル工法を採用した。ケミコパイルの打設は, φ=40 cm, ピッチ=120 cm~150 cm, 長さ=8.0 m~18.5 mの条件で合計3,311本行なった。また使用した生石灰は, 5,896 tであった。施工結果によれば, その効果は十分認められた。

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