圧気工事に伴う潜函(ケーソン)病の事例と対策
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説明
潜函やシールドなどの圧気工事では, 地上よりもはるかに高い圧力環境下の作業を強いられる。このため人は圧力の直接, 間接作用をうけ, 甚だしい場合には高気圧障害とよばれる種々の健康障害を引き起こす。なかでも潜函病(減圧症)は高気圧下の作業を終え地上に戻る減圧の間, もしくは減圧終了後短時間内に発生し, その症状はかゆみや関接痛といった軽いものから, ショック状態や麻痺を伴う重いものまで幅が広い。潜函病が減圧終了後短時間内に発生するのに対し, 同じく減圧が不良のため発生する障害に減圧性骨壊死があるが, 早くて数か月, ときには数年たってから発現する。潜函病の発生を防ぐには, 作業圧力に応じた所定の作業時間をこえないようにし, また減圧は作業の圧力と時間に応じた規定のスケジュールに従って実施するような作業管理, 就業者に潜函病をはじめ, 高気圧障害の原因と予防法についての知識を周知徹底させる衛生教育, 潜函病をはじめ高気圧障害を受けやすい箇所を対象とした特殊健康診断の実施および就業者の日常生活のコントロールなどの対策が必要である。
収録刊行物
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- 土質工学会論文報告集
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土質工学会論文報告集 23 (1), i-, 1983-03-15
土質工学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1540572720304743552
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- NII論文ID
- 110003985041
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- NII書誌ID
- AN00173174
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles